厚生労働省関係機関(本省、試験研究機関、福祉施設、日本年金機構、全国健康保険協会)に働く職員の労働組合

大臣官房人事課長交渉を実施

2023.07.27

全厚生は、7月27日人事院勧告前また来年度予算の概算要求とりまとめ直前の時期での重点課題で大臣官房人事課長交渉を実施しました。
全厚生交渉団として、盛田委員長、髙橋・藤江副委員長、佐藤書記長、渡名喜中央執行委員が出席。
人事課からは、源河人事課長、矢田貝参事官らが対応しました。

交渉冒頭、盛田委員長が要求項目の趣旨説明を行いました。
①国家公務員及び非常勤職員の物価高騰をふまえた大幅な賃上げを求める。非常勤職員の処遇改善、雇用安定の無期転換ルール導入、厚生労働省所管の独法等で「無期転換逃れ」を発生させないこと。正規職員と同等の処遇となるよう予算措置を求める。

②定員削減は実施せず、安定的な業務運営が行える定員確保に努力すること。

③定年延長は、定年後の生活安定を確保できる賃金を保証すること。対象者への丁寧な説明や再雇用との選択判断の時間確保を行うこと。役職定年については、現場の状況を踏まえるよう求める。

④共働支援システムが障害者に必要なアクセシビリティを整え、業務に支障がないようにすること。すべての職員に感染及び感染疑い時の有給による休暇を整備するよう求める。

⑤研究機関については、過度の競争的研究費依存から脱却し、研究に必要な基盤的研究費を研究者に配分するよう求める。医薬基盤研については、必要な運営費交付金の確保、非常勤職員への賞与の支給など処遇改善を行うこと。国立健康危機管理機構の発足にかかる情報提供を適宜行い、職員の意見を反映すること。参議院の付帯決議を尊重し、現行の研究、検査に必要な予算確保及び職員の流出がないよう労働条件の改善要望の実現に向けての努力を求める。

⑥国立福祉施設については、利用者サービスの向上と定員増、職員の処遇改善、特に介護福祉士の処遇改善、利用者設備の改善、引っ越しを伴う転勤について年次有給休暇の取得を必要としない措置を講ずることを求める。

⑦社保庁職員の分限免職処分は、政府・厚生労働省の責任で処分撤回及び全面解決を求める。

⑧日本年金機構において、業務運営を安定的に行うために、「当面の基本計画」の見直しと、社保庁時代に懲戒処分歴のある者への採用差別中止。また、非正規職員と正規職員との不合理な格差是正を求める。

この要望に対し、源河人事課長が一括回答しました。回答内容は以下のとおりです。

①公務員賃金や国の非常勤職員の処遇改善について、人事院や関係省庁に働きかけてまいりたい。厚生労働省としては、所管の独立行政法人等に係る予算要求において、引き続き、国の政策上、必要な予算の確保に努めてまいりたい。

②定員については、定員合理化計画に協力せざるを得ないが、査定官庁に対し、業務の重要性、特殊性等を丁寧に説明し業務遂行に必要十分な定員確保に向けて、厚生労働行政が果たすべき役割がしっかり理解されるよう努めてまいりたい。

③定年引き上げについて定年に近い職員を含めた全ての職員が安心して職務に精励できるよう努めてまいりたい。

④共働支援システムについて視覚障害者のアクセシビリティ確保に向けて、情報システム管理室・国リハ関係者との必要な連携を求めてまいりたい。
感染・感染疑い時の休暇制度について、人事院に対しては、新型コロナウイルス感染症に係る特別休暇の継続の必要性を訴えた。制度官庁に対しては、引き続き休暇制度の改善について要望してまいりたい。

⑤基盤的研究費の配分について国の政策上、必要な予算の確保に努めてまいりたい。
医薬基盤・健康・栄養研究所については、令和5年度の運営費交付金については、対前年度7億円増となる47億円を計上していると聞いている。非常勤職員の賞与の支給をはじめとした処遇改善については、法人において、適切に取り組むべきものと考えている。老朽化した設備の修繕等について、令和5年度予算として約3千8百万円の施設整備費補助金が、措置されたところである、必要な予算の確保に努めてまいりたい。
国立健康危機管理研究機構に関して全厚生の皆さまに情報提供しつつ、適切に取り組んでまいりい。令和7年度以降の創設に向けて、機構に期待される役割を踏まえながら、必要な運営費交付金の確保に努めてまいりたい。

⑥国立福祉施設で働く職員の処遇改善について様々な機会を捉えて、関係省庁へ働きかけをしっかり行ってまいりたい。特に、介護福祉士に関しては、人事院に対して、夜間特殊業務手当の増額や、介護福祉士の級の切上げなど、処遇改善に向けた要求を行ってきたところであり、今後も、介護福祉士の皆様が安心して職務に専念できるよう、関係省庁に働きかけてまいりたい。
各施設の老朽化対策等について令和5年度の施設整備予算については、対前年度1.6億円増となる2億円を確保したところであり、令和6年度予算要求においても、引き続き必要な予算額の確保に努めてまいりたい。
赴任期間について関係各所に相談しながら、何ができるか検討してまいりたい。

⑦分限免職処分については、国家公務員法に基づき適法かつ適正に行われたものと考えており、処分を撤回することは考えていない。
基本計画について業務の円滑な引継ぎを確保し適正かつ効率的な運営を図ることを目的としているものであり、見直しが行われるような性質のものではないと認識している。

⑧正規職員と非正規職員の格差是正について機構の検討状況を踏まえ、必要な助言や支援を行ってまいりたい。
老朽化した年金事務所の改修等については、日本年金機構において優先順位を判断したうえで、計画的に維持管理・更新等を進めていくこととしており、厚生労働省としても必要な予算の確保に努めてまいりたい。